東日本大震災から15年を迎えて
東日本大震災の発生から15年になります。
この震災により犠牲となられたすべての方々に、改めて深い哀悼の意を表するとともに、被災された皆様、そして今なお復興の途上にある地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
平成23年3月11日、宮城県は甚大な被害を受けました。生活の基盤が失われ、数多くの法的課題が一度に顕在化する中で、私たち司法書士は、専門職として地域に何ができるのかを考え、行動してまいりました。
震災直後から、宮城県司法書士会では、全国の司法書士の支援を受けて、被災者無料相談の実施、自治体からの要請による復興事業の用地取得に伴う相続人調査など、被災者の生活再建に直結する支援に取り組んできました。また、自治体や関係機関、他士業団体とも連携し、被災者に寄り添った支援体制の構築を進めてまいりました。
時間の経過とともに、相談内容や課題も変化してきました。相続の未処理問題、所有者不明土地の権利関係の複雑化など、長期的な視点での対応が必要となる課題に対しても、継続的に取り組んでおります。近年においては、相続登記の義務化に伴う相談・啓発活動も、震災の経験を踏まえた重要な取り組みの一つと位置づけています。
これらの活動は、特別なものではなく、「身近な法律家」として地域に根ざし、県民の皆様の暮らしと権利を支えるという司法書士本来の役割を果たしてきた歩みであると考えております。十五年間にわたり支援を継続できたのは、会員一人ひとりの地道な努力と、関係機関の皆様のご理解とご協力があってこそであり、心より感謝申し上げます。
震災の記憶と教訓を風化させることなく、次の世代へ確実に引き継いでいくことも、私たちの重要な責務です。司法書士は、今後も災害時・平時を問わず、地域社会に寄り添い、県民の皆様の身近な法律家として貢献してまいりたいと思います。
最後に、改めて犠牲となられた方々に哀悼の誠を捧げるとともに、被災地のさらなる復興と、宮城の未来が希望に満ちたものとなることを心より祈念いたします。
令和8年3月11日
宮城県司法書士会
会長 茂木 宏友



